梅雨になったら食中毒に気をつけて!

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今回は「梅雨時の食中毒」についてお伝えしたいと思います。

食中毒に気をつけて!

これから梅雨に突入しますね。ジメジメして憂うつな季節ですが、「食中毒」に警戒をしなければならない季節でもあります。梅雨の時期には食中毒が増える傾向があり、注意が必要なのですが、どうして梅雨になると食中毒が増えるのでしょうか。そして食中毒を予防するにはどうすればいいのでしょうか。

食中毒の原因や予防法について、これからご説明します。

食中毒って?

そもそも食中毒とは何かというと、有毒、有害な物質を含んだ食べ物を摂取することで起こる、胃腸障害などの健康被害のことを指します。有毒、有害な物質は、細菌、ウイルス、寄生虫、動物・植物の自然毒、化学物質の5つに分類されます。

食中毒を報じるニュースでO-157やサルモネラ菌、ノロウイルスといった言葉を聞いたことはありませんか?O-157やサルモネラ菌は細菌性食中毒、ノロウイルスはウイルス性食中毒の代表的なものです。他にも寄生虫の食中毒ではアニサキスが有名ですし、キノコ狩りのシーズンになると誤って毒キノコを食べてしまったというニュースが目に入ることもあるでしょう。これらをひっくるめて食中毒と呼ぶのです。

なぜ梅雨の時期に食中毒が多いのか

これからの時期に増えてくるのは細菌性の食中毒です。これは日本の夏が高温多湿なことと関係があります。細菌は気温と湿度が上がると増殖するのです。

細菌の繁殖に適した温度は10~60℃で、人の体温に近い37℃前後で最も増えやすくなります。加えて水分と栄養があると細菌はどんどん増殖します。暑くジメジメした梅雨の季節は、細菌にとって活発に活動できる時期なのです。

ちなみに、逆に気温が下がり乾燥する季節になるとウイルス性食中毒が増えます。

細菌性食中毒の種類と原因

細菌性食中毒には「感染型」と「毒素型」があります。感染型は食品内で増殖した細菌を摂取することで発症し、毒素型は細菌が食品内で増殖するときに作り出す毒素を摂取することで発症します。

感染型と毒素型の代表的な細菌と原因になりやすい食物を挙げていきます。

・感染型

腸管出血性大腸菌(O-157、O-111など):過熱が不十分な肉、生野菜など

サルモネラ菌:過熱が不十分な卵・肉・うなぎなど

カンピロバクター:過熱が不十分な肉(特に肉)、生野菜など

腸炎ビブリオ菌:生の魚介類(塩分があると繁殖、真水に弱い)

ウェルシュ菌:カレーなどの煮込み料理(鍋に入れたまま室温で放置すると繁殖しやすい)

毒素型

黄色ブドウ球菌:手作りのおにぎり、サンドイッチなど(人の手を介して食品に付着)

セレウス菌:炒飯、パスタなど穀物加工品

ボツリヌス菌:レトルト加工されていない真空パック食品など

細菌性食中毒では主に腹痛、下痢、嘔吐といった急性胃腸炎の症状が現れます。

細菌によって潜伏期間は異なり、数日経過してから症状が現れるケースもあります。

食中毒を予防するには

食中毒は飲食店や旅館で発生することが多いですが、家庭でも発生しています。特にキッチンの水回りは細菌が繁殖しやすい環境です。細菌性食中毒を予防するには、原因菌を「付けない」「増やさない」「やっつける」ことが3原則となります。

(1)原因菌を「付けない」

原因菌を食品に付けない、調理場に持ち込まないようにするためには、手洗いを徹底し、調理器具などを清潔にしておくことが大切です。

・調理を始める前、生肉や生魚を触る前後、食事の前には手洗いをしましょう。また調理の途中でトイレに行ったり、鼻をかんだり、ペットを触ったりしたら、その都度手を洗いましょう。

・手をふくタオルは清潔なものを用意しておきましょう。使用後の濡れたタオルは細菌が繁殖しやすい場所です。

・生肉や生魚を切った包丁とまな板を再度使うときは、洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけるか台所用除菌アルコールを吹きかけると安全です。できれば、肉用、魚用、野菜用と別々に包丁とまな板を用意するのが理想的です。

・野菜など洗えるものは調理前によく水洗いしましょう。

・生肉や生魚の汁が調理済みの料理や生食するものに付かないよう気をつけて調理、保管しましょう。購入する時も肉や魚はビニール袋で包んで持ち帰るのがよいでしょう。

(2)原因菌を「増やさない」

ほとんどの細菌は10℃以下で増殖スピードが遅くなり、-15℃以下で増殖が止まります。原因菌を増やさないようにするには、低温で保存することが重要です。

・冷蔵が必要な料理や食材は常温で放置せず、冷蔵庫に入れて保存しましょう。

・生ものや総菜を購入したら、寄り道せずに帰り、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。

・冷蔵・冷凍庫内の温度が上がらないよう、温かいものは冷ましてから入れましょう。また詰め込みすぎも温度が上がる原因になります。7割くらいが目安です。

・冷凍品を解凍するときは、室温での自然解凍は避け、冷蔵庫に入れて解凍するか電子レンジを利用しましょう。

ただし冷蔵しても細菌はゆっくりと増殖するので過信は禁物です。できるだけ早く消費するよう心掛けましょう。

(3)原因菌を「やっつける」

細菌やウイルスの多くは高熱に弱く、加熱すると死滅します。加熱は食中毒を防ぐ効果的な方法です。特に肉はしっかりと過熱しましょう。原因菌を死滅させるには「中心部の温度が75℃で1分以上」の加熱が目安です。

使用後の調理器具も、熱湯をかけて殺菌すれば安全です。台所用の殺菌剤でも効果があります。

ただし、加熱すれば絶対大丈夫という訳ではありません。

毒素型の黄色ブドウ球菌は、菌自体は熱に弱いですが、菌が生成した毒素は多少加熱した程度では消えません。また、ウェルシュ菌やセレウス菌は芽胞を形成し熱に耐性があるため、通常の加熱調理では死滅しません。加熱すればいいではなく、「付けない」「増やさない」の対策も同時に取っておくのが重要なのです。

食中毒にかかったら

食中毒が疑われるようなら、早めに病院へ行くのが最善策です。また下痢や嘔吐で脱水状態になってしまうのを防ぐため、こまめな水分補給が必要です。経口補水液やスポーツドリンクを摂取するのがいいでしょう。

気をつけたいのが、自己判断で市販の下痢止めを飲んではいけないという事です。下痢や嘔吐は、原因菌を体外に排出するための体の防御反応です。下痢止めを飲んでしまうと、菌が体内に留まってしまい回復が遅れる可能性があります。

まとめ

高温多湿となるこれからの時期には、細菌が原因となる食中毒が増えます。予防するには衛生管理が第一です。手洗いを徹底する、食品は正しく保存し衛生的な調理を心掛けるなど、予防3原則を守ることを意識していきましょう。「加熱してあるから」「冷蔵庫に入っていたから」といって油断はできません。少しでも怪しいと思った食品は口にしないようにしましょう。もしかかってしまったら、自己判断で対処せずお医者さんに相談してください。

以上で、「梅雨時の食中毒」についてお伝えさせて頂きました。
皆様のお役に立てたらうれしい限りです。
ぜひ、引き続きよろしくお願いします。

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